ヒューマンコミュニケーション研究室 (清田研究室)

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  図1:視覚障害者による筆記文字例とPDA端末

 

   1.研究テーマ  視覚障害者のためのユビキタスコンピューティングシステムの開発

 本研究では,中途失明者のユビキタスコンピューティング実現の一手段として,視覚障害者用オンライン日本語入力システムを携帯型端末であるPDA上に実装することを提案しています.私たちはこれまでに,中途失明者に対してオンライン文字認識技術を用いたペン入力型の日本語文書作成システムをデスクトップコンピュータ上で開発しています.ここでは近年におけるモバイルコンピューティングの発達に対応して,視覚障害者の柔軟な環境での情報入力端末の利用を目的とした,PDA端末に既開発の日本語入力システムを適用し,電子メールの送受信が行える環境を構築することを目指して研究しています. 

 現在までにオンライン日本語入力システムをPDA上に実装したプロトタイプを試作し,操作性や文字認識精度に関する評価実験を中途失明者に対して実施しています.被験者による評価実験の結果,最初はペン操作の不慣れなどが要因となりミスが生じやすいものの,練習後は電子メール程度の簡単な文書作成における操作は十分可能で,送受信も容易に行える見通しが得られています. 

Key Words : オンライン文字認識,ユビキタスコンピューティング,視覚障害者,PDA

 図2: 擬人化エージェントによる発話

 

  2.研究テーマ  擬人化エージェントモデルによる音声伝達支援

        システムの構築

 計算機や通信端末などにおけるユーザーインタフェースを抽象化した擬人化エージェントは,コンピュータとネットワークインフラを柔軟に融合する技術として近年特に注目されています.この擬人化エージェントモデルは,機械工学におけるヒューマノイドロボットの思想をそのまま受け継ぐソフトウェアモデルと位置付けられます.人と同じような動作や対話でコンピュータを操作するためには,利用者に違和感を感じさせない自然なインタフェースの構築が必要で,人の動作や情報伝達機能(目配り,相づち,表情)などの音声や動作特性まで配慮するヒューマン情報処理技術の検討が重要な課題となります

 本研究では、口唇画像の実写映像を基に発話文章に依存しない簡易口唇画像生成技術を新たに提案し、ブラウザの文章を読み上げる音声提示支援システムの検討を行っています。また、発話待ち画面における擬人化エージェントモデルに自然な動きを持たせることにより、ユーザにどのような感性的影響があるかなどの評価実験も行っています。 

Key Words : 感性コミュニケーション技術 ヒューマンインタフェース

          マルチモーダル リアルタイム処理

図3:仮想環境シミュレータによる歩行訓練機

 

  

 3.研究テーマ  仮想環境シミュレータを用いた歩行訓練機における生体情報計測

           システムの開発

 

 自由に屋外を歩き回れない病院の入院患者を対象として,仮想現実感を利用した情景をHMD(ヘッドマウントディスプレィ)に映し出し歩行機と連動して情景が変化する仮想環境シミュレータを利用した歩行訓練機システムを開発しています。また,これと並行して,手のひらの電気情報とストレスに関する様々な生体情報の関連づけの研究を行っており,脈波計測により癒しの音楽にはストレス解消と正の相関があるという知見を得ています。

 本研究では,先行研究により開発してきた仮想環境シミュレータを用いた歩行訓練機を利用する被験者に対して,脈波と心拍数を計測する装置を新たに装着し,被験者の生体情報を歩行訓練機にフィードバックさせることにより利用者の状態を把握しながら歩行訓練を制御するシステムの開発を行うことを目的としています。 仮想現実空間把握を利用したシミュレータにより,これまで無機質であった歩行訓練機をより楽しい環境で利用することが可能になります.

 

Key Words : 感性情報処理 歩行訓練 生体情報 仮想環境技術 センシング処理

 

 


図4: PICシンボルの例(女の子はいちごが好き)

図5:PICメールシステム

 

 

  

 4.研究テーマ  視覚シンボルを利用した知的障害児向け電子メールソフトの開発

 

 コミュニケーション支援の完全な理想形態は,様々な障害者や言語の異なる人同士が必要とする情報を補完的に完備したシステムであると考えられます.ここではマルチメディア情報に含まれる映像や音声,テキストなどに等価な協調性を持たせた共通メディア情報言語の概念を新たに提案しています.

 本研究では文字や言葉を十分に利用できない知的障害児の情報教育に関して,絵図画を中心とした視覚シンボルとメディア情報を用いたコミュニケーション支援を検討しています.具体的には,知的障害児における情報処理教育の導入の試みとして,コンピュータを介した情報伝達の実用化を目指し,シンボルを媒体としたコミュニケーションツール(電子メールソフト)の開発を行います.本提案システムを知的障害児に適用させた結果,視覚シンボルを媒介とすることによって電子メールの利用ができるようになりました.  

 

Key Words : 感性技術,コミュニケーション,情報教育支援,日本版PIC

 

図6:ボーンフレームによる動きの解析

図7:3次元モデルの合成 

   5.研究テーマ  3次元CG技術を用いたヒューマンコミュニケーション技術

 ヒューマンコミュニケーション支援を目的とした擬人化エージェントモデルの構築を行っています.これまでに,人の会話時の発話モデルを構築しており,現在は,胸上,体全体の自然な仕草の解析を行っています.人の自然な仕草のモデルや喜怒哀楽といった表情を自由に制御する技術を確立することによって,これまで情報機器に馴染みの少なかったユーザに対して情報機器アクセスを支援するユーザインタフェースへの応用を目指しています.

 カメラで撮影した実写映像から基本的な人の動きの特徴を解析していきます(モーションキャプチャ).その解析結果を利用して3次元擬人化エージェントモデルに仕草の表現法を学習させ,人が会話するときの自然な動きを再現していきます.いくつかの基本的な仕草のパタンモデルを作成することによりジョイステックコントローラなどのポインテイング装置を用いて会話に合わせた制御を行うことが可能になります. 

Key Words : 感性情報処理 マンマシンインタフェース 感性制御 エージェント技術

 

           <HOME>                                        Last Updated: 2004/05/08

 

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