平成10年度  計算機工学(2年)・教授要項


【科  目】 計算機工学
【対  象】 全学科共通2年
【開講方式】 必修 3単位
【担当教官】 大石信弘・阿部幸雄・堤一男・大田一郎 他

【使用教科書】
高橋寛「論理回路ノート」コロナ社

【参考書】

【概要】
 計算機のハードウェアに関する初年度の学習として,内部回路で使用される論理回路に
ついて学ぶ.命題とは何かから始まり,組合せ回路,簡単な順序回路までを扱う.また,
理解を深める手助けとして必要に応じて講義の間に実験室での実習を行う.

【前期講義内容】
1.論理回路の概要
 論理回路とはどのようなものか,また用語や概念について学ぶ.
2.組合せ回路と真理値表・論理関数
 組合せ回路の入出力間の関係の表現方法について学ぶ.
3.論理関数の基本演算と標準形
 論理関数で使用する基本演算子の性質と回路記号および関数の標準形について学ぶ.
4.論理関数の簡単化
 論理関数をルールに基づいて簡単化する方法とその原理について学ぶ.
5.NAND回路とNOR回路
 NAND回路やNOR回路による回路表現と標準形との関係について学ぶ.

【後期講義内容】
6.組合せ回路の応用回路
 計算機に使用される代表的な回路を取り上げ,これまでに学んだことの理解を深める.
7.順序回路の表現
 順序回路の考え方,および回路特性の表現方法について学ぶ.
8.記憶素子(フリッププロップ)
 順序回路で使用される代表的なフリッププロップの原理と動作について学ぶ.
9.順序回路の構成
 組合せ回路とフリッププロップを用いた簡単な順序回路の構成方法について学ぶ.
10.順序回路の簡単化
 状態の簡単化を中心に順序回路の簡単化について学ぶ.

【評価方針】
 定期試験,レポートおよび出席などを総合して評価する.


関連科目・学習指針】
 計算機のハードウェアに関する初年度の学習なので,専門的な予備知識は特に必要では
ないが,新しい用語や概念が出てくるので欠席しないようにすること.ここでの内容は,
3年次以上の計算機工学や関連科目を学習する上で必要となるので,十分な理解に努めて
もらいたい.特に,組合せ回路は自在に扱えるようになること.