平成10年度  電子回路学(4年)・教授要項


【科  目】 電子回路学
【対  象】 情報通信工学科4年
【開講方式】 必修 2単位
【担当教官】 大田一郎

【使用教科書】
押山,保常,他「改訂電子回路」コロナ社

【参考書】

【概要】
 3年次で学習したトランジスタとFETの基礎を基にして,4年次では,その応用回路
として電力増幅器,発振回路,パルス回路および電源回路を通して,トランジスタとFE
Tの大振幅動作,小振幅動作およびスイッチング動作を学習する.

【前期講義内容】
1.増幅回路
 電力増幅器(A級,B級,C級)の動作を説明し,効率を導出する.また,インピーダ
ンス変換と増幅器の雑音を学習する.
2.発振回路
 発振器の一般的な原理と条件について解析する.続いてCR発振器,LC発振器,水晶
発振器,負抵抗発振器など具体的な各種正弦波発振器の動作を学習し,それぞれの発振条
件を導出する.

【後期講義内容】
3.パルス回路
 トランジスタのパルス応答を簡単なスイッチモデルで解析し,これを用いてマルチバイ
ブレータ(無安定,単安定,双安定),ブートストラップ回路などの動作を学習する.
4.電源回路
 電源回路の種類と特長を説明する.具体的には整流回路,三端子レギュレータ,スイッ
チングレギュレータ,スイッチトキャパシタ電源などについて,回路構成と動作解析を学
習する.

【評価方針】
 定期試験,小テスト,演習レポートおよび出席を総合して評価する.

【関連科目・学習指針】
 3年次の電子回路で,能動素子の基礎となるトランジスタとFETの動作および小振幅
等価回路を理解しておくこと.4年次では,トランジスタやFETを用いた比較的簡単な
電子回路の回路図が読めるようにする.即ち,回路図を見ただけでその回路がどういう動
作をするかがわかるようになるように授業する.また,回路図を等価回路に直し,各動作
量を解析的に求める技法を修得させる.