平成9年度  信号処理(5年)・教授要項


【科  目】 信号処理
【対  象】 情報通信工学科5年
【開講方式】 必修 2単位
【担当教官】 大田一郎

【使用教科書】
電子情報通信学会編「ディジタル信号処理」コロナ社

【参考書】
辻井重男,久保田一共著「ディジタル信号処理」オーム社
前田渡「ディジタル信号処理の基礎」オーム社

【概要】
 自然界において発生する原情報の多くはアナログ信号である.ところが計算機で処理を
行う場合,離散的なディジタル信号に変換した方が演算精度,再現性誤り制御の点で優れ
ている.講義では,このために必要なディジタル信号技術について学習する.

【前期講義内容】
 フーリェ級数から離散的フーリェ変換(DFT)に移る過程を学習し,次に,デジタル
フィルタの基礎となるFFTを学習する.
1.基礎理論
 フーリェ級数,フーリェ変換,Z変換,離散的フーリェ変換,サンプリング
 たたみ込みと相関関数,移動平均,同期加算

2.高速フーリェ変換(FFT)
 FFTの原理,プログラミング技術,パワースペクトル密度,
 たたみ込みの計算,相関関数,コヒーレンス関数,ケプストラム

【後期講義内容】
 デジタルフィルタの設計に必要な技法を学習する.
3.デジタルフィルタの概要と特長
  デジタルフィルタとアナログフィルタとの比較
  デジタルフィルタの構成,伝達関数,周波数特性

4.デジタルフィルタの設計
  デジタルフィルタの構成方法
  回路構成から伝達関数を求める
  伝達関数から回路構成を求める

【評価方針】
定期試験,演習レポート,および出席状況を加味して評価

【関連科目・学習指針】
 フーリエ変換やラプラス変換などはすでに4年生で授業していると思うが,最初に復習
をかねて簡単に数学的意味,物理的意味を交えて講義する.通信技術,画像技術などの基
礎となる科目なのでしっかり修得して欲しい.