イギリスに在外研究員として派遣されている本木教員からの報告

投稿者: | 2016年8月22日

今年度1年間,イギリスに在外研究員として派遣されている本木教員から研究・近況報告の連絡がありました.

「本年度,イギリスのノッティンガムトレント大学に在外研究員として来させて頂いている本木です.

4ヶ月が経ち,こちらの生活や研究環境にも慣れて来たところです.こちらでは,私が長年研究しているニューラルネットワーク(NN,脳型情報処理モデル)をFPGA(プログラム可能なハードウエア)に実装する研究をしています.NNは,最近人工知能で話題のディープラーニング(深層学習)のモデルですが,私は次の世代の,より生体に近く回路化しやすいスパイキングニューロンモデルを研究しています.日本にいる時に学習アルゴリズムを導出し,こちらでは先週,FFT等の前処理なし,フィードバックネットなしで,簡単な音声認識タスクにより時系列処理ができることを確認しました(NNの知識発見能力).オンチップ学習ができそうです.今,論文の執筆に取り掛かっていて,帰国後,学生達と本モデルを実装したり,地元の企業さん達と実用化に向けて共同研究したりできれば嬉しいなぁ,と思っています.(人工知能は何に使うかが大事なのでよく検討して)

お陰様で,日々たくさんの刺激を受けていて,今日はドイツOsnuabrueck大学認知科学プログラムからのインターンシップ学生Clemens君(若干21歳)と研究のディスカッションをしたり(写真),昼食時には,スペイン人の研究者Aliciaさんと,3人でスタッフルーム(写真)でUKのEU離脱の影響,ヨーロッパ各国や日本の教育などの話をしました.

そうそう,先月はコッツウォルズ地方に出向き,こちらに来ている本校OB(私が顧問をしているバド部の元キャプテン)と一緒に食事をしました.元気で活躍しているみたいで嬉しかったです.英語に関しては,私も彼も英語が極めて堪能とはいかないけども,日々英語を勉強しながらも「英語力より会話力」と割り切って,まず話すのが大事みたいだね,と話しました.

日本にいる時みたいにはいかず大変なこともありますが,頑張って進めていきたいと思います.」

NTUシティキャンパス2 NTUスタッフルーム 研究の様子(論文,FPGA) Clemens君とディスカッション NTUシティキャンパス1