熊本高等専門学校 情報通信エレクトロニクス工学科

小田川研究室

ドメインエンジニアリングで圧電デバイス、強誘電デバイスはどう進展していくかがメインテーマです。超音波デバイス、光デバイス、マイクロ波デバイスへの応用を目指しています。地域に密着した研究・教育活動も積極的に行っています。(小田川裕之))

研究の概要

電圧を加えると伸びたり縮んだりする性質を持つ「圧電体」は、超音波エレクトロニクスの分野で広く用いられて・「ます。

この性質は音波の世界だけの話ではなく、みなさんが持っている携帯電話の電波を選別するフィルタなど、通信機器の信号処理デバイスにも使われています。携帯電話の中で、電波の周波数(約2GHz)で圧電デバイスが振動しながら目的の電波だけを選んでいるのです。

私のメインの研究は、圧電体の極性(+と−があります)の向きを自由に並べ変えて、より性能の高いデバイスを作ることです。どの程度のサイズで向きを変えるかというと、超音波の波長(例えば10GHzの超音波では0.4ミクロン)以下です。つまり、数10ナノメートル〜数100ナノメートルのサイズで極性(分極ドメイン)を制御するナノテクノロジーが必要となります。

「ナノドメインエンジニアリングによる新しい超音波エレクトロニクスの世界」を拓こうと卒研生とともに頑張っています。

また、熊本高専の松田教授の研究テーマである、周期構造下の表面プラズモンを利用したセンサの研究も共同研究として行っています。弾性表面波(SAW)フィルタの研究も、継続して推進しています。